「紙の厚さの表記」同人誌印刷 用語集
同人誌の本文などに使う紙で90kgとか110kgのように厚さを表しますが、
厚さをなぜ重さで表すのでしょうか。
90kgや110kgというこの重さは、その紙1000枚の重さです。
1000枚の紙が90㎏、110㎏になるという意味です。
ですので重いほうが厚い紙というわけです。
同じ紙質でしたら重いほうが厚い紙ということになりますが、
紙質が変わると同じ重さでも厚みが変わります。
例えばコミック紙(ラフホワイトを除く)は紙の厚さは上質110kgと同じですが、
重さが88㎏しかありません。
厚くても軽い紙ということになります。
上質110㎏でもコミック紙(ラフホワイトを除く)でも背幅は同じですが、
本を持った時はコミック紙を使った同人誌のほうが軽くなります。
逆にコート紙などは紙の表面に塗料が塗られて重いので上質紙と同じ110㎏でも厚さは薄くなります。
もし本文に上質紙を使った同人誌に一部だけコート紙を使うとしたら、
コート紙は上質紙よりも厚い(重い)紙を使ったほうが手触りのバランスがよくなります。
さて、ここからはややこしい話になります。
印刷会社内部の話なのでサークルさんにとっては覚えなくてもよいお話です。
紙1000枚の重さを厚さで表すと書きましたが、その紙の大きさは?
例えば上質90kgだとしたら1000枚で90㎏ですが、紙の大きさが違えば重さが違ってくるはず。
そうなんです。
印刷用に使う紙にはいろいろなサイズがあります。
上質90㎏という紙の大きさは「四六判」と呼ばれる大きさで1091×788mmになります。
上質紙で1091×788mmの大きさの紙が1000枚あった時に90kgであれば上質90㎏となります。
この四六判という紙はB5やB6などのB系列の同人誌やチラシなどに使う紙です。
紙は高いので無駄なく使うためにB系列とA5、A4などのA系列ではサイズの違う紙を使います。
A5やA4などのA系列の同人誌を作る場合、印刷用紙はA判や菊判を使います。
A判:880×625mm
菊判:939×636mm
B5サイズの同人誌を作る時と違うサイズの印刷用紙を使います。
ここで話をまた戻すと、紙の厚さは1000枚の重さで表すと書きました。
それでは紙のサイズが違えば同じ厚さでも重さが変わってくるのでは。
そうなんです。
紙の厚さは一緒でもサイズによって重さの呼び名が変わります。
上の写真は「しらおい」という上質紙の見本帳です。
例えば四六判のところに連量90㎏があります。
その右側のA判を見ると57.5㎏、さらにその右の菊判は62.5㎏となっています。
同じ紙の厚さでもサイズが変わることによって重さが変わってきます。
どの紙も同じサイズに切ったら同じ紙になります。
サークルさんからA5サイズの同人誌の印刷を依頼され、本文に上質90㎏という指定があれば
印刷会社で実際に使うのは上質57.5㎏か62.5㎏ということになります。
印刷会社の同業者間や現場などでは実際に使う紙の重さでやりとりします。
A5サイズの同人誌を作るのに「本文は上質90㎏を使います。」
という言い方はしません。
ややこしいですよね。