「紙の流れ目」同人誌印刷 用語集
同人作家さんには直接は関係ない話ですが、印刷会社としてはとても重要なことです。
同人誌のような印刷に使う紙にはほぼ流れ目という目があります。
種類は2つ、縦目(T目)と横目(Y目)
これに気を使って印刷をしないと出来の悪い同人誌になってしまいます。
なぜ紙に目があるかというと、紙を抄造する時に水に溶かしたパルプを細かい網の上に流します。
流れた水は網の下に落ちるのですが網の上に繊維だけが残って最終的に紙になります。
すごく簡単に言うとこのような原理です。
パルプを流した時に流れる方向があるので目ができます。
印刷に使う紙は長方形なので長い方向に繊維が流れていると縦目、短いほうが横目です。
同人誌のような本の場合、本になった時に上から下方向に目があれば大丈夫。
これが本になった時に横向きに目があったらよくありません。
どうなるかというと、本が開きにくい。
繊維に逆らって曲げるので開かないし、ノド側がシワになる時もあります。
ですので紙の目は間違えて使えません。
封筒など糊づけする製品も紙の目を考えます。
目が逆の場合、紙にシワができてしまいます。
また、ちらしはリーフレットなど折ってある製品も目が逆だと綺麗に折れません。
紙を1枚渡されて、目がどっちになっているか見分ける方法はいくつかあります。
まず、手で破いてみる。
比較的真っすぐに切れればその方向に目があります。
目の方向でないとギザギザに切れます。
紙を水に浮かせてもわかります。
縦か横かどちらかに曲がってきます。
別な方法でも目がわかります。
紙のサイズの表記が788×1091mmになっていたら縦目、1091×788mmだったら横目です。
印刷会社が用紙を購入した時に、包装紙に包まれたままでしたら見分かる方法があります。
包装紙の長い面に紙の銘柄などが書いてあるラベルが貼ってあったら横目、短い面に貼ってあったら縦目。
上の写真のように、特殊紙で柄がある紙があります。
その柄と紙の目が合ってない時があるので印刷会社としては注意するところです。
ところが全ての紙が縦目と横目があるわけではありません。
特に特殊紙などはどちらかの目しかない製品が多いです。
上質紙やコート紙は使用頻度が多いので、どちらの目もあります。
紙の目は印刷会社によって重要で、できた同人誌に不具合がないように気を付けています。