「白押さえ」同人誌印刷 用語集
色のついた紙に印刷する時、上にのったインクが紙の色の影響をうけないように、
一旦、白を印刷してからその上に印刷すること。
通常の印刷インクは不透明ではなく、透けるようになっています。
色のついた紙に印刷をすると、その紙の影響を受けて印刷の発色が変わってしまいます。
白インクは不透明なので、紙の色の影響をうけず、色がついた紙に印刷しても
そのまま白になります。
白インクの色材は修正液と同じなので下地をかくします。
白押さえすれば、そこだけ白い紙と同じようになるのでその上に色インクでもカラーでも印刷することができます。
色のついたものをそこだけ白にすることができます。
オフメタルなどの金や銀の紙を表紙につかうとき、そのまま印刷するとカラーなどは色がわかりにくいので、
キャラクターの下だけに白押さえし、その上にカラー印刷。
白押さえしてない部分は紙の色のままです。
白押さえは、通常に印刷するような版を作り他の色と同じように印刷します。
データから版にしますので、白押さえする部分はデータで自由にできます。
上の写真は同人誌ではありませんが黒い紙に白インクで印刷しています。
白の上には印刷していないので白押さえとは違いますが、黒い紙でもこのように白く印刷できます。
印刷の現場ではこの白押さえする時に注意点があります。
白押さえした部分は紙ではなくインクがのっているので、その上に印刷するととてもインクが乾きにくい。
白インクで印刷してその上にインクをのせるとなかなか乾きにくくなります。
その場合は白インクで印刷した後、完全に乾いてから印刷するのではなく、
半乾きの状態で印刷します。
または、速乾性のインクで印刷をします。
一般的に要約した説明は以下のようになります。
同人誌印刷における「白押さえ」とは、主にカラーページや特殊な用紙に印刷する際に用いられる技術で、
白インクを使用して特定の部分に下地を作ることで、上に印刷する色がより鮮明に見えるようにする手法です。
これは特に、色の表現が難しい暗色系の用紙や透明なフィルム、メタリック紙などに印刷する際に重要な工程となります。
以下に「白押さえ」の具体的な用途と利点を説明します。
用途
〇暗色の用紙に印刷する場合
通常のカラー印刷では、白い紙の上に色を重ねることで正確な色を表現します。
しかし、暗色の用紙に直接カラー印刷を行うと、インクの色が沈んでしまい、鮮やかさが失われます。
そこで、印刷する部分にまず白インクで下地を作り、その上にカラーインクを重ねることで、色の鮮やかさを保ちます。
〇透明なフィルムやメタリック紙に印刷する場合
透明なフィルムやメタリック紙のような特殊な素材に印刷する場合も同様に、白押さえが必要です。
白インクで下地を作ることで、透明フィルムの透けを防ぎ、
またメタリック紙の反射を抑えて、カラーインクが正確に発色するようにします。
利点
〇色の再現性向上
白押さえを行うことで、上に印刷されるカラーインクが紙の色に影響されることなく、設計通りの色が再現されます。
〇デザインの鮮明さ向上
白押さえを行わない場合、特に暗色の用紙ではデザインが見えづらくなってしまうことがあります。
白押さえを施すことで、デザインの鮮明さが向上し、視認性が高まります。
〇質感や立体感の向上
白押さえにより、色がしっかりと乗るため、立体感や質感が強調されます。
これにより、同人誌全体の完成度が高まります。
実際のプロセス
〇デザインの準備
デザインソフトで白押さえの部分を指定します。
これには通常、特定のレイヤーやスポットカラーを使用します。
〇白インクの印刷
印刷機でまず指定された部分に白インクを印刷します。
この段階で用紙全体に白い下地が形成されます。
〇カラーインクの印刷
白インクが乾燥した後、その上に通常のカラーインクでデザインを印刷します。
これにより、白インクの上に色が乗り、鮮やかに発色します。
白押さえは、同人誌や特殊印刷物において色の鮮やかさとデザインの再現性を高めるための重要な技術です。
特にこだわりのある同人誌を制作する際には、この技術を適切に活用することで、より魅力的な仕上がりを実現できます。
色のついた紙を表紙にして綺麗にカラーを印刷したいとき、
この白押さえという方法があります。