「PP・マット加工」同人誌印刷 用語集
PP・マット加工とは紙の表面にビニールのような素材のシートを貼ることです。
PPはツヤあり(上の写真のもの)、マット加工はツヤなしのシートです。
パックにもありますがアートポストにPP貼り。
同人誌ではなく、一般の書籍でも表紙やカバーにPPなど貼ります。
メリットは同人誌が汚れにくく、丈夫になること。
紙のままですと汚れたら落ちにくいですし、ビリビリと破れてしまいます。
PPやマットを貼ると表面がビニールのようになるので、汚れても水がついても拭けば落ちます。
この加工は紙が平坦なものに適します。
特殊紙にも貼ることはできますが、凹凸のある紙ですと凹んだところにシートが密着せず、
そこだけ空気が入って白っぽくなってしまいます。
同人誌ではたまにやりますけど、表面が特殊紙ではなくなります。
でも、独特な風味が出ることがありますね。
同人誌の表紙に使う紙はアートポスト180㎏など厚みのある紙を使用することが多いです。
PP・マット加工はそこまで厚くない薄い紙でも貼ることはできますが、
紙が薄く柔らかいので湿度などによって反ってしまいます。
湿気を吸った時、紙は伸びちぢみしますが、PPはしませんのでその差で反ってしまうのです。
同人誌の表紙はやりませんが、PP・マットは紙の両面に貼ることが可能です。
メニューや、材質は違いますが硬質なものを貼って下敷きとか。
両面に貼れば丈夫になり、汚れても拭けます。
ちなみに表紙のオプションで箔押しをするとき、
PPの場合は貼る前でも貼った後でも透明なためどちらでも大丈夫。
マット加工の場合は貼った後に箔押しをしないと箔が艶消しになってしまいます。
しかし、基本的にはPPでも貼った後に箔押しをします。
BASICパックではこのPP貼りが含まれています。
マット加工はオプションです。
マット加工をした同人誌を出したサークルさんから
「ROSA ROZZAさんのマット加工は他社さんよりなめらか」
と言っていただいたのでシルキーマット加工と名付けました。
PPの中にはホログラム加工(LCホロPP)と言われるキラキラした柄が入っているものがあります。
素材はPPなのですが、見る角度によって光かたが変わる柄があります。
印刷する現場では、印刷した後に十分乾いてからPP・マット加工をするようにしています。
乾く前にPPやマットを貼ってしまうとはがれてくるからです。
最低でも印刷してから一晩はおいて次の日に貼ります。
特に冬は気温が低くインクが乾きにくいので注意しています。
一般的なPPの説明は以下のようになります。
PP加工とは、ポリプロピレン(Polypropylene)と呼ばれる素材を使用して表紙を加工する方法です。
ポリプロピレンはプラスチックの一種であり、軽量で耐久性があり、防水性や耐久性に優れています。
PP加工は、これらの特性を利用して、本の表紙を保護し、魅力的な外観を提供するために行われます。
PP加工の主な特徴や利点は以下のとおりです。
〇耐久性
ポリプロピレンは非常に耐久性があり、表紙をしっかりと保護します。
書籍が持ち運ばれたり使用される中で、表紙の擦れや損傷を軽減します。
〇防水性
ポリプロピレンは防水性がありますので、水や湿気から書籍を保護します。
これにより、書籍が濡れたり汚れたりするリスクが軽減されます。
〇光沢と透明度
PP加工を施した表紙は光沢があり、美しい外観を提供します。
また、透明度が高いため、表紙のデザインやイラストが鮮明に見えます。
〇柔軟性
ポリプロピレンは柔軟性があり、表紙に適した形状に加工することができます。
また、書籍の開閉やページのめくりがスムーズに行えます。
PP加工は、主に書籍や雑誌、パンフレット、カタログなどの表紙に使用されます。
特に、外部からの損傷や汚れが予想される場合や、鮮やかな印刷物を作りたい場合に適しています。