「中綴じ」同人誌印刷 用語集
同人誌の綴じ方の一種で、背をホチキスのような針金でとめる製本方法です。
コンビニで売っている雑誌にも中綴じはよくあります。
ROSA ROZZAのパックでは。
折り綴じ本パックが中綴じです。
この中綴じの特徴を書きます。
1.本のページが完全に開く。
背を糊でとめる無線綴じの場合、背が糊で固まっているため同人誌のページがひらききりません。
ですので本の中心部のイラストなどが見えない状態です。
中綴じは同人誌のページがひらききるのでイラストの見開きなどあっても全部つながって見えます。
同人誌以外ではこのひらききるという特徴のためか商品パンフレットなどにも多いです。
2.少ないページでも本にできる。
無線綴じで8pの同人誌などは不可能ではないのですが、かなり作りにくいです。
しかし中綴じなら大丈夫、普通に作ることができます。
また表紙がなくても中綴じなら作れます。
本文と表紙が同じ、いわゆる「とも紙」というものです。
折り綴じ本パックがとも紙です。
無線綴じの場合、本文を最後に表紙でくるむため表紙がない無線綴じは作れません。
3.早い安い。
これは無線綴じと比べてなのですが、工程上早く本ができます。
そのため製本代が安いです。
この理由で大量に作る週刊誌などスピードとコストが求めらる本は中綴じなのかもしれません。
4.ページの多い(厚い)本ができない。
無線綴じの場合は数百ページ、背幅が数センチなど可能です。
しかし中綴じの場合はそんなに厚い本ができません。
コンビニで売っている厚さ1センチくらいが限界ではないでしょうか。
実際にはもう少し厚い本もできる製本機もありますが、あまりやりませんね。
針金が通っていかないと思います。
中綴じには以上のような特徴があります。
ちなみに中綴じの針金はこんな感じです。
針金がぐるぐるロール状になっていて綴じる時に短く切ります。
ほとんどの場合、針金で綴じるのは2箇所なので針金ロールも2つあります。
上の写真ですと表紙と本文が右から一冊づつ流れてきて、針金で上からドスっと刺します。
中綴じで同人誌を作る時、原稿を作る注意点を書きます。
ページの多い厚い中綴じ同人誌の場合です。
8pや16pの中綴じなら考えなくて大丈夫な話です。
それは、中綴じで厚い本を作った時は表紙と本の中心のページの大きさが違うということです。
本になった時に一番外側のページと一番内側のページの大きさが違ってきます。
中綴じはページを重ねて中心を針金で綴じ、二つに折ります。
一番上の写真を見てもわかるように外側の紙は本全体を覆うため長くなります。
本を開くとこうなります。
上と下では紙の長さが違いますよね。
本の厚さが8㎜、B5サイズの週刊誌で横の長さを図ってみました。
中心のページのサイズ:175㎜
表紙のサイズ:183㎜
通常B5サイズですと長さは182㎜です。
表紙は少し長いだけですが、本の中心になると7㎜も短くなります。
これは原稿を作る時に注意しないといけませんね。
中心になるページも普通のB5サイズで作ってしまうと、ページの端のほうの絵や文字は切れてしまいます。
また、中綴じは4ページ単位の同人誌しか作れません。
4ページを綴じて製本するので10ページの本とかは作れないのです。
しかし、無理やり作ることはできます。(やったこともあります)
どうやるのかというと、どこかの4ページにペラ(2ページ)を糊で貼り付けます。
実際にはこの部分だけ中綴じになっていないのですが、同人誌としてみたら10ページの中綴じになります。
しかし、この方法はオススメしません。
4ページ単位の原稿にしましょう。