印刷知識

ベタの中で白く抜けてしまうのはなぜか

ベタ印刷の白ヌケ

 

本当はあってはいけないのですが、ベタの中に白くポチッと色が抜けてしまうことがあります。

同人誌の本文はイラストの場合、特にベタが多いので見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。

スミベタの中に白くポチッと、目立ちますよね。

ひどい時には夜の星空のようになってしいます。

なぜこうなってしまうかという理由です。

代表的な3つをお話しします。

 

1.紙粉

紙を抄造した後に、紙に粉が残ってしまう場合があります。

紙粉が多い紙で印刷すると、その粉が邪魔をして白く抜けてしまうのです。

こういう紙で印刷する場合は防ぎようがありません。

対策としては紙の銘柄やロットを変えたり、他の紙で印刷をします。

例えば上質紙といっても色々なメーカーで作っていますので何種類もあります。

紙の銘柄によって紙粉が多かったり少なかったりするので、

当社では紙粉の少ないある銘柄で、抄造している工場も指定してそれを使っています。

 

もう一つ対策としてはインクを付けないで印刷する、

いわゆる「から通し」という一度印刷機に通す作業をします。

するとそれで粉が取れるので、その紙を今度は普通に印刷します。

ただこれは2度印刷機に通すことになるので、大量に刷る場合は時間がかかりすぎるのでやりません。

印刷の枚数が少ないときですね。

紙粉で白く抜けた場合はルーペで見ると丸い形で抜けています。

 

2.紙ムケ

印刷機は紙に強い圧力がかかり、しかもインクはネバネバしているので

紙の表面がそれに耐えられず紙の繊維が剥けてしまうという現象です。

この対策をしては、印圧というのですが紙にかかる圧力を弱くする、

「コンパウンド」という材料をインクに入れ、インクの粘り気を少なくするという方法があります。

しかしこれをやりすぎると、印刷仕上がりにシャープさがなくなったり

影響が出てしまうので、影響が出ない範囲でやります。

紙ムケの場合はルーペで見ると四角い形に抜けています。

 

3.ゴミ

印刷の版にゴミが着くとその部分はベタが抜けてしまいます。

対策は印刷機に「ゴミ取りローラー」という装置をつけます。

これをつけるとゴミがついてもすぐに機械のほうで取ってくれます。

また、印刷している最中は何枚かごとに印刷物を見て異常がないか確認しています。

印刷機は機械が回っていても刷り上がった印刷物が抜き取れるようになっています。

ゴミがついた場合はすぐに印刷機を止めゴミを取り、印刷物を検品します。

ゴミの場合はルーペで見ると目玉のようになっています。

 

だいたいこの3つの原因で白く抜けてしまうことがあります。

ルーペで拡大して見ると原因がわかるので対策をして印刷しています。

アナログ時代は版自体が白く抜けてしまう現象がありましたが、

デジタルの今では版が白く抜けることはありません。

 

ちなみにコート紙やアートポストなど表面が加工された紙は1と2の原因はありません。

紙粉もほとんどないし、表面も強くなっていますので。

上質紙やコミック紙に多い現象です。

 

本来は白く抜けてはいけないものですが、

こんな対策をしていますよというお話しでした。

ご参考になれば嬉しいです。

 

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